今回は老健での作業療法士の仕事内容をまとめています。
老健の作業療法士のやりがいはこちらの記事をどうぞ↓
【老健で働く作業療法士のやりがいは?結構忙しいけど楽しい!】
卒業後初めて就職する方や、病院などから転職を考えている方にとって気になるのは、やはり仕事内容ではないでしょうか。忙しいのか暇なのかも気になりますよね。
入社後、思い描いていたイメージとかけ離れすぎていた…というようなことも防げると思うので、老健での作業療法士の仕事内容に興味をもっておられる方はぜひチェックしてみてくださいね。
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Contents
老健の作業療法士の役割
老健は長期入院していた方が退院して家に帰るまでの間に利用することが多い施設です。
原則65歳以上で「要介護1」以上の介護認定を受けていることが条件となります。
その他、伝染病などの疾患がなく、病状が安定していて長期入院を必要としないことなども条件としてあげる施設が多いです。
利用者にとって老健の最大のメリットは“リハビリが受けられる施設”ということ。
在宅復帰を1番の目標としてあげるため、作業療法士の役割としてはリハビリを通じて身体機能の向上を図り、家での生活が安全にできるよう支援することにあたります。
施設の方針によって多少は変わってきますが、入所期間は原則として3ヶ月。
3ヶ月を過ぎると入所継続の必要性があるか否かを施設側より審査されます。
3ヶ月後の退所までに在宅生活に必要な機能をどれだけ身に着けられるかどうかが鍵になってくるので、リハビリへの期待度が高いのも特徴です。
また入所だけではなく通所リハビリ(デイケア)を併設している老健も多いです。
通所リハビリは老健の近所に居住する高齢者におすすめのサービス。
要支援1〜2または要介護1〜5の認定がある方が利用できます。
通所リハビリは在宅での生活を維持したり、より快適に暮らせるようにリハビリを行っていきます。
老健で働く作業療法士の仕事内容
老健での作業療法士の仕事はリハビリだけではなく付随する仕事があります。
施設によって若干の違いはあると思いますが、だいたいよく似ているのではないでしょうか。
リハビリテーション
主となる仕事は仕事内容はやはりリハビリです。
老健では入所者に1回20〜30分程度のリハビリを週2回以上行うようになります。
入所して3ヶ月間は短期集中リハビリテーションといって週3回以上のリハビリを受けることができます。
利用者様や家族の方のリハビリに対する意欲が高いケースやリハビリの必要性が高い場合は週5〜6回のリハビリを希望されることも多いです。
20分のリハビリではできることも決まっているので、評価を繰り返しながらリハビリを進めていきます。
また、個別リハだけではなく集団リハで加算をとることもあります。
私の勤めていた施設では、作業療法士1人と補助の介護士1人で、利用者10〜15名程度の集団リハビリを行っていました。
1対1で行う個別リハより満足度やリハビリ効果が得られないため、時間を40分〜1時間と個別リハより長めにとっていました。
集団リハの時間は施設によりけりかと思います。
会議への出席
- 入退所判定会義
入所者の心身の状況、病状、置かれている環境等と照らし合わせ、利用者様が在宅での日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討する会議です。 - サービス担当者会議
ケアプラン原案を作成し、サービス調整を行った後、サービス担当者を集めてケアプランの内容を検討する会議です。
サービス担当者とは、医者、施設長、リハ職、看護職、介護職、ケアマネ、栄養士、相談員等です。
可能であれば、利用者様や家族の方も出席します。
このサービス担当者会議は、利用者の状態像の変化などにより、ケアプランを変更する際にも開きます。 - 申し送り・ミーティング・業務改善会議等…
施設によって違いはありますが、その他にも、毎朝のミーティングやフロア会議など様々な会議があり、必要に応じて出席しなければなりません。入退所判定会やサービス担当者会議にかかる時間は利用者様にもよりますが、大体15分程度です。
書類業務
- カルテ
その日、リハビリを行った時間、内容、利用者の様子、評価したことがあれば記載します。 - リハビリテーション実施計画書
既往歴や現在の身体機能、評価、短期目標、長期目標、リハビリプログラム、本人様・家族の方のニーズ、リハビリの経過などをまとめた計画書の作成があります。
作成した計画書は本人様かご家族の方に説明し同意のサインをいただきます。
計画書を作成するタイミングは入所時→入所後2週間以内の見直し→その後3ヶ月毎の見直しです。
身体機能に変化等がある場合はその都度、計画書を更新していきます。あっという間に入所から2週間が経とうとしてたり、「〇〇さんの次の見直しいつだっけ?」と忘れてしまいそうになるので注意が必要です。 - 訪問の記録
利用者様宅を訪問した際には、間取りや動線、家での動作の評価、使用している福祉用具や段差の高さなどを測り施設の様式でまとめます。トイレは和式か洋式か、ドアは開き戸か引き戸か、ベッドか布団か…など結構細かいチェック項目があります。 - 会議の記録
入所判定会議、サービス担当者会議などの会議に出席した際に、会議の内容を記録する業務も担います。
家屋の評価
入所前30日〜入所後1週間以内と退所後30日以内に実際に利用者様宅に伺い家屋の評価を行います。
入所前に家を見ることで在宅復帰にむけたリハビリプログラムがより具体的になったり、必要に応じて手すりなどの福祉用具のレンタルを進めていきます。
退所後の訪問では在宅での生活が安全に継続できるかを評価していきます。
(1回ゴミ屋敷もどきに出くわした事があります…。そういった意味の覚悟は必要かも。笑)
行事への参加
施設によって違いはありますが、季節にあったイベントがあります。
お花見や、夏祭り、秋の外出、初詣など…
こういった行事の際に一緒に参加し、利用者様が安全に楽しむことができるようにサポートします。
その他
その他の業務としては、必要に応じて利用者様の杖やシルバーカー、歩行しやすい靴などを一緒に選んで業者に注文したりもします。
毎日することとしてはリハ室の掃除や備品の整理整頓などが挙げられます。
また、施設によっては介護的サポートや通所リハビリの送迎業務を作業療法士が担うところもあります。
暇?忙しい?
ぶっちゃけ忙しいです!
9時から16時くらいまでリハビリをしたり会議に参加したりと動きっぱなしなことも多々あります。
リハビリが終わったらカルテを書いて、書類を作って…という感じで、暇だと感じたことはあまりありません。
でも残業はほとんどなく、だいたい定時で帰ることができていました。
年末や年明けは書類の整理やカルテの書きかえがあったので忙しかったですが。
暇で時間を持て余すよりは、ある程度忙しい方が時間が経つのが早く感じて私は好きですが、そこは人それぞれですね。
忙しいですが、家に帰ってヘトヘトで疲れ切って動けん!ということは滅多になかったです。
仕事終わりに出かけたりする元気も全然残ってました。
老健はリハビリに重きを置いている施設なので、作業療法士としてのやりがいは大きいです。
貼り絵やカレンダー作りなどを一緒にしたり、認知症に対するアプローチなど作業療法士らしい活動もしっかりできるので自分のスキルを伸ばしていける楽しみもあります。
おじいちゃん・おばあちゃんが好き、多少忙しくてもバリバリ働いてみたい、他職種と連携して在宅復帰を支援したい
という方は老健の作業療法士に向いていると思いますよ。
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